金沢の想い出

百万石祭に思う

今日、たまたま金沢に行く用事があったので百万石祭を観てきた。 はっきり言って、金沢に住んでいた10年間、そして今も私は百万石祭が大嫌いである。みっともないし、情けない祭だ。文化の香りも、古都の誇りも感じない、精神的にさもしい祭であると言って良…

金沢を離れる予感

本当に久しぶりに、「金沢の想い出」について書こう。 このブログを始めて約一年、金沢を離れて約三ヶ月になる。 漁師になろう、と突然思い立ったのは今年の春だが、実は金沢を離れる事になるんじゃないか、と予感めいたものを感じ始めたのはこのブログを始…

賢坂辻のこと(2)

賢坂辻のこと(1) 風邪で伏せっていて暇なので、久しぶりに金沢のことについて書こう。 以前、賢坂辻について書きかけだったので、再び兼六大通りを兼六園に向かって歩いて行こう。 暁町の交番を少し行ったところに、ユーブックという本屋とかず屋という居酒…

金沢の愛すべき喫茶店

賢坂辻の想い出に関して書きかけなのだが、書きたいことが多すぎて取り留めが無くなってしまいそうだったので、少し別のことを書きたい。 学会などで日本中いろいろなところに行くのだが、文化レベルの高い都市にはいくつか共通点がある。ポルノ専門の映画館…

賢坂辻のこと(1)

金沢の思い出を語るにおいて、やはり賢坂辻のことは書いておかねばなるまい。なにぶん量が多くなるので、複数回に分けて書こうと思う。 賢坂辻というのは私が十年にわたって居を構えている界隈のことで、正式な町名ではない。藩政期には剣先の字を当てていた…

金沢シネマストリートの消失とシネモンドのこと

金沢の中心街、香林坊にある109に、シネモンドというミニシアターがある。今では香林坊で唯一の映画館になってしまったが、私が金沢に来たばかりの頃は109の周囲に金沢シネマストリートと呼ばれる映画館街があった。 確か1999年には二、三件の映画館が…

和服を着始めた頃のこと

金沢での生活の中で、私に訪れた最大の変化は和服を着始めたことだ。大学院に進学してしばらく経った頃、M2の秋頃から着始めた。だからもう三回冬を越したことになる。最初はもらい物の紬と、市内の古着屋で買った二束三文のウールアンサンブルしか持ってい…

金沢市立玉川図書館のこと

昨日は金沢市の中心街にかつて存在していた喜久屋書店香林坊店について書いた。今年で29歳になる私が20代の全てを過ごした金沢について、今のうちに少しずつ書き留めておこうと思い立ったからだ。幸いこのブログは一日40〜50件ほどのユニークアクセ…

喜久屋書店があった頃

金沢に来て十年が経とうとしている。 友人達もみな金沢を去り、私自身も来年は博士課程三年目で、人生の分岐点を迎えつつある。そして、この十年のことをよく思い出すようになった。 私が始めて金沢の地を踏んだのは1999年の初春、受験でのことだ。第一印象…