サイズを測ろう

第二回は、サイズの測り方です。
これは呉服屋などで一度和服を仕立てたことがあれば、その時の採寸表があるでしょうから、それを参考にすればいいのですが、今初めてオークションを利用する、という人はまず自分で測らなければいけません。今回は、非常にかんたんに、自分で和服の寸法を知る方法です。
和服は洋服と構造が違うので、当然サイズの見方、測り方も異なります。まず、下の絵を見てください。


きもの広場 より引用

これは女物の絵ですが、大差ないのでこれを元に説明します。

  • 着丈(身丈)

一番重要なのは着丈(図では身丈)です。
男物は、女物と違ってお端折りを作りません。なので、身の丈が合わないと、基本的には着ることができません。これは、長くても短くてもいけないのです。『身の丈のあった』という慣用句はここから来ています。
身の丈は、基本的にうなじから足の裏までの長さです。男の場合『(身長)−(顔の長さ)』と考えて良いでしょう。お腹やお尻の出ている人は、この長さにさらに数センチ余裕を持たせた方がいいです。ちなみに身長162センチ、体重72キロの私の身の丈は138センチです。お腹が出ていなければあと二、三センチは短くなるのではないでしょうか。

  • 身頃

次に重要なのは身頃です。身頃とは、要は胴回りのことです。スリムな人は身の丈さえ合っていれば後はある程度自由に着こなすことができますが、私のように太っていると、身頃が足りずに着ることができなかったりします。特に、昔の日本人は今のように体格が立派ではなかったので、古着を買おうとすると身頃が足りないことが多いです。
まず、きものの裾回りは、「前身頃」「後ろ身頃」「おくみ」を足したものである、とかんたんに理解してください。例えばよくオークションや古着屋では、「前身頃(前幅)25 cm、後身頃(後幅)30 cm、おくみ15 cm」というように書いてあります。この時の裾回りは「(25+30+15)×2=140 cm」となります。
次に、自分の胴回りを測ってください。きものは一種のワンピースですから一番太い場所で測ればいいです。多分男性であればお腹かお尻で測ればいいでしょう。基本的に、きものの裾回りはその長さよりもさらに50センチ〜60センチ程度長くとれば良いと思います。
尻回りが約100センチある私は、「前幅28センチ、後幅32センチ、おくみ16センチ」です。これは、呉服屋で仕立てたときに採寸してもらった寸法です。

  • 裄(ゆき)

あと、裄(ゆき)ですが、これは後身頃と袖の長さを足したものです。当然長すぎても短すぎてもいけません。特に、短すぎると襦袢の袖がはみ出してしまい、着こなしとしてはNGです。自分で測るときはうなじから手首までの長さを測り、それを基準に選べばいいと思います。上に羽織を合わせるのでなければ、短すぎなければよい、くらいで良いでしょう。
羽織を着る場合、最初はアンサンブルといって、長着とセットの物を買うと良いかもしれません。セットで仕立ててあるので、着物の裄が長すぎて羽織からはみ出す、ということは絶対にありません。

今日はこのくらいにして、次は袴の種類とサイズについて書きたいと思います。