この中では「清酒おねてぃ」がダントツに美味しいですよ

 まずはこの記事。

http://tomulier.com/moesyusummit.html
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51088682.html

 なんでも、秋葉原でいわゆる「萌えキャラ」をfeatureした日本酒の見本市というか、即売会のようなものが行われたようです。
 学生時代は、学会や研究会で遠くに行くたびにその土地の酒蔵を訪ねたり、居酒屋で利き酒をしたりしていました。直接訪ねた酒蔵だけで100以上、呑んだことのある蔵は300以上、銘柄に至っては五百を優に超えているはずです。
 というわけで、今回このイベントに参加しているお酒もほとんど呑んだことがあるのですが、あえて言わせていただくと北安醸造の「純米吟醸 おねてぃ 森野苺」がダントツでベストワンです。
 北安醸造は「おねがいティーチャー」というアニメの舞台になった信濃大町にある小さい造り酒屋です。信濃大町周辺は「小谷杜氏*1」といって、信州酵母を用いた甘く香り豊かな日本酒が造られ、非常に個性豊かな日本酒文化があります。その甘みと、ヨーグルトにも似た乳酸菌系の香りのせいで人によって好き嫌いが分かれるのですが、私は長野のお酒、特に北信地区のお酒が大好きです。
 この北安醸造には何度も足を運んだことがあるのですが、なんとこの蔵は「純米吟醸 おねてぃ 森野苺」の日本酒を他のレギュラー品とは別におねてぃ専用に造っています。多くの産地がラベルを変えるだけで安易に萌え日本酒を出している中、異色中の異色です。そしてこの「純米吟醸 おねてぃ 森野苺」ですが、この蔵のレギュラー品の純米吟醸と比べて確かに美味しいのです。小谷杜氏らしい甘口で、しかもスッキリと呑みやすい*2、素晴らしい完成度の日本酒です。
 ただ、惜しむらくはオリジナルラベルのせいか値段が4合2310円とちょっと高いんですよね。個人的にはアニメの萌えラベルでなくて良いので、通常商品として一升3500円程度で出してくれれば何度もリピートしたいお酒です。

*1:古より独自の文化を守ってきた長野では小谷杜氏、諏訪杜氏、飯山杜氏の三流派が中世よりその命脈を保っています。私の好きな日本酒では、長野に信州銘醸という会社があるのですが、ここも小谷杜氏。個人的には北安醸造と甲乙付けがたい造り酒屋です

*2:レギュラー品の純米吟醸は、栃木県出身の私にはちょっと香りがクドく感じるときがある