長野県大町市の酒蔵

 最初は「白馬錦」醸造元薄井商店も伺いたかったんですが、スケジュールの都合上いけませんでした。ちょっと残念。

市野屋商店 長野県大町市

 
 信濃大町駅から徒歩五分ほど。街中にある酒蔵です。「金蘭 黒部」という銘柄を造っています。長野のお酒はどちらかというと香りが強くて、本醸造や純米でもふわっとした吟醸香があります。決してスッキリした味ではないので、好みが分かれるかもしれませんが私は結構好きです。そして、18きっぷのシーズンになると、栃木に帰省する途中の通り道ということもあって、途中下車して酒蔵まで行くことが多いです。
 ここの造るお酒も、そんな香り豊かなお酒です。ちょっと中の写真を撮るのを忘れてしまったのですが、小さい中にもしっかりと整理された蔵で、好感を持ちました。造るお酒もとても美味しいですよ。
 個人的には一番のお気に入りの純米酒を四合瓶で買いました。本当は一升瓶で欲しかったのですが、旅の途中ということもあって、仕方ないですね。今これを書きながら飲んでいるのですが、ヨーグルトにも似た甘い香りのする不思議な純米酒で、もの凄く美味しいです。純米を名乗っていますが、やわらかい香りに包まれます。長野の外に持って行けば、十二分に純米吟醸として勝負できるでしょう。ちなみに4合で1,200円、安い! やっぱり一升瓶で買えば良かったかも・・・。

北安醸造 長野県大町市

 今回一番楽しみにしていた酒蔵です。長野県では信州銘醸の次に美味しいと思っている酒蔵です。年間生産400石という長野で最も小さい酒蔵の一つではないでしょうか。ちなみに、人気アニメ「おねがいティーチャー」とのコラボ商品「清酒 おねてぃ」の中身はこの蔵のお酒です。

 
 今日は造りが一通り終わった後の大掃除ということで少し雑然としていましたが、普段は小さい中に非常に整理された蔵です。石川でいうと、鄕野酒造や白藤酒造を思い出させます。もう今年の造りは全て終わっていていました。貯蔵は全て瓶貯蔵。消費は一部を東京など大都市に出荷する以外はほとんど県内での消費だそうです。知る人ぞ知る銘酒、といったところでしょうか。
 事前連絡無しに突然来訪したにも関わらず、蔵元直々に蔵の隅々まで案内と造りの説明をしていただきました。
 その後普通酒(旧二級酒)から大吟醸まで味見をさせていただきました。個人的に唸るほど美味しかったのは「純米吟醸 無濾過生原酒」と「しぼりたて生原酒」の二つ。純米吟醸精米歩合55%、原酒にも関わらず3,150円。加水・火入れしたレギュラー品と同じ値段です。金蘭黒部とは違った甘い吟醸香が口いっぱいに広がります。しぼりたて生原酒は普通酒の原酒で、長野のお酒独特の吟醸香が無い代わりにどっしりとした素晴らしい味わいです。このランクのお酒としては、今年飲んだ生酒の中でもトップクラスでしょう。本当はどちらも一升瓶で欲しかったのですが、手荷物の関係上コストパフォーマンスを重視して純米吟醸無濾過生原酒を一升瓶で買いました。しぼりたて生原酒は悔いが残らないようこれでもかと試飲して(笑)、これまたお土産用に300ccの瓶を一本買いました。
 と、ここで面白い話を耳にしました。先日「清酒 おねてぃ 純米吟醸 森野苺」の中身はレギュラー品の純米吟醸と同じだろう、と書きましたが、どうやら違うようです。実は純米吟醸一升4,620円、ということで買うかどうかこの時点ではかなり迷っていたのですが、蔵元の話を聞いて買うことにしました。なんでもその値段と限定品ということで、かなり特別な純米吟醸をこのお酒のために用意したようです。あまり詳しい話は伺わなかったので推測になりますが、おそらく良く出来たタンクの中でもさらに良い部分を入れてあるのではないでしょうか。蔵元直々に「自信作」との言葉をいただきました。ここの純米吟醸はレギュラー品ももの凄く美味しいので、それより美味しい、といわれるとかなり期待してしまいます。
 「清酒 おねてぃ 純米吟醸 森野苺」は蔵の直売所でも取り扱っていない木崎湖キャンプ場オリジナル商品なので、木崎湖まで横殴りの大雨の中駅から歩いて買いに行きました。途中から雪交じりになって、本当に死ぬかと思いましたよ。通販分は予約受け付け開始直後に売り切れてしまったようですが、店頭販売分はまだそれなりに残っていましたよ。まだ直接買いに行けば買えると思うので、欲しい人は直接大町市まで買いに行きましょう。
 
 このお酒はちょっともったいないので、お酒好きのオタク仲間で飲むときにでも開けることにします。