栃木の小さな酒蔵

相良酒造 栃木県岩舟町

 
 私の実家から自転車で20分、車なら十分足らずのところにある小さな蔵です。創業1832年。52歳の社長兼杜氏を中心に、五人の蔵人で造っている小さな小さな蔵です。『朝日栄』というお酒を造っています。普通酒(旧二級酒)もきちんと美味しい蔵で、地元では根強い人気があります。辛口のスッキリとした味ですが、栃木のお酒らしいしっかりとした味わいもあります。私にとって日本酒の基準になっている味です。
 
 蔵の中も見学させていただきましたが、古い蔵の中でほとんどを手作業で造っているそうです。先代と現社長の親子二代で造っているお酒ですが、なんと息子さんと娘さんが跡継ぎを表明、東京農大醸造学科に進学。親子三代での酒造りを始める日も近いでしょう。現在タンク15本(約400石*1)ほどの製造量ですが、もう少し量を増やしていきたいと言っていました。
 ここでは純米と吟醸を一升ずつ、あとお土産用にしぼりたて生原酒を300ccの小瓶を一本買いました。ここの吟醸は、なんと精米歩合50%で3,500円です。味も造りも大吟醸を名乗っておかしくない逸品ですが、みんなに広く飲んでもらうためにあえて吟醸で出しているそうです。純米も精米歩合60%で2,200円。破格の値段と言っていいでしょう。宅急便で発送したので、届くのが今から非常に楽しみです。

大平酒造 栃木県大平町

 
 『黒龍』というと福井の黒龍酒造が全国区で有名ですが、こちらの方が歴史は圧倒的に古いです。太平山の麓で、神社に奉納したり宿場町で振る舞われるお酒を造っていました。小規模の地酒蔵が多い栃木県において、上の相良酒造と並んで最も小さい蔵の一つですが、味は確かです。実は酒蔵まで行ったのですが、どうも休みらしく玄関が閉まっていました。ということで、ここのお酒は次に帰省したときにまた紹介します。

*1:1石=10斗=100升=180リットル