足袋は難しい

 先日、お茶会に招かれたのですが、当然いつものように素足に下駄というわけにはいきません。薄物の絹の単衣に絽の正絹袴、羽織も同じく絽の一つ紋、という普段着よりはワンランク上の準礼装で臨みました。
 足下も白足袋に草履で臨んだわけですが、久しぶりに足袋を履いたらどうも難しくてなかなかきまらない。そう、足袋は5年以上にわたって毎日和服を着続けている私にとっても、非常に難しいのです。
 何がきまらないかというと、袴の裾の高さ。
 男女問わず、和服の裾は足袋の上の際の部分に微妙に重なる高さがベストです。足首の肌色の部分が見えてしまうのは非常にはしたないし、足下が隠れてしまう程まで下がってしまうのもみっともない。
 私は普段、それこそ雪が降らない限りは真冬でも素足に下駄履きなので、稀に足袋を履くと、裾の調整に本当に手間取ってしまうのです。
 足袋を履くのは、着付けの手順としては一番最初です。袴をはく場合は、長着を着てからでもOKです。
 そして、袴をはくときに全身が入るような鏡の前で、袴の高さを微調整します。
 しかし袴の場合、帯の高さも重要ですから、ちょっと合わせては帯を巻き直したりして、本当に時間がかかってしまいました。
 着付けの入門書などを読むと、足袋を履くのは一番最初、となっていますが、それにはこういう理由があるのです。