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筒井康隆という人は、多くの人にとって「人生の一時期、はしかに罹ったように読みあさる作家で、私も多くの人がそうであるように高校生の頃に読みあさった。
「文豪がライトノベルを書く」というふれ込みで開始したシリーズが5年越しで単行本に。
“校内一の美少女・ビアンカ北町が精子を採取する”、というお話が人類の存亡にまで発展していくバカバカしさよ。これぞ筒井。この手のジュブナイルバカSFを久しぶりに読んだ気がする。
本人も言うように、文壇から眺めたライトノベル、というメタフィクションという側面もあって、筒井康隆のライトノベル論、としても読むことが出来る。
しかし、筒井康隆にしか書けない小説ではあるのだが、77歳の筒井康隆が貴重な時間を割いてまで書かねばならない小説でもないような・・・。
間違いなく「今読まねばならない文学」だとは思うのだが・・・。