「アーティスト」

70点

 オスカー主要5部門受賞。モノクロ&サイレントでハリウッドの過渡期を描くフランス映画。
 石川県では、どういうわけかユナイテッドシネマ金沢のみでの上映。
 
 面白かったんですが、、、、。
 画面へのこだわりと比べると、ドラマが弱すぎて終始映画に集中できませんでした。
 興行的に日本では苦戦、というかかなりハズしているみたいですが、なんか納得。画面作り以上にドラマを重視する日本ではこれは受けないでしょう。

 なんかね、展開が適当なんですよ。サイレントでその名を馳せた主人公。しかし、トーキーの到来とともに落ち目になり、さらには世界大恐慌のあおりを受けて破産寸前になってしまう。そこで、彼がとる行動がただひたすら飲んだくれるだけなんですよね。私財を売り払って何とか食いつないでいるものの、人生の打開策は何も持っていない。
 そして、最終的にはヒロインの無償の愛によって救われるんですが・・・。それって、主人公にとってはいいわけ?いや、なんか前半で芸術家気取りでサイレントへのこだわりとか見せてたわけだけど、打開策がタップダンスって・・・。本当に良いんですか?

 展開のテキトーさも含めて、大昔のサイレントのオマージュです、と行ってしまえばそうかもしれないけど、画面作りの1%でも良いから、お話にも拘って欲しかったなあ。

 決してつまらない映画では無いので、一応オススメです。ただ、二時間もあるのがねえ。この程度のドラマでしか無いのなら、せめて90分くらいにおさめて欲しかった。