「ウルトラマン・サーガ」

68点
 シネマサンシャインかほくで鑑賞。
 ウルトラマン映画は毎年欠かさず観ているわけですが、ここ数年は若きウルトラ戦士・ウルトラマンゼロを主人公に据えて、彼が訪れる先々で発生する世界の危機を、その地の若き勇者と一体化して救う、というシリーズ物になっている。 今年はウルトラマンに変身する青年・タイガノゾム役にDAIGO、ヒロイン・アンナ役に秋元才加を迎え、さらに豪華になったCGアクションなど、シリーズ物としてかなり充実してきた印象。

 そして、結論から言うと、かなり面白かった。ヒロイン初め数十人のみ残された地球人類が、ウルトラマンと共にギリギリの水際で地球を救う。その設定とお話にきちんと説得力があった。かなり気楽な気持ちで観に行ったんだけど、すいません、正直舐めてました。
 今回のラスボス、ゼットンがまたカッコイイ!幼生体のキモさ、完成体の恐ろしいまでの強さ、ウルトラファンなら絶対に忘れないあの「ピロロロロロロロ」というSE。いやあ、ちゃんとゼットンで、正直なところ、なじみの薄いウルトラマンゼロよりも感情移入してみていたかも(笑)。ザコ怪獣として登場するグビラがまたね、良いんですよ。だってグビラですよ、グビラ。着ぐるみの造形がゼットン比べてちょっとチャチなのがまた、愛嬌があってよろしい。

 人間パートの役者もまた頑張っていて、何よりもヒロインの秋元才加の存在感と芝居が良かった。個人的には、日本アカデミー賞助演女優賞級の仕事だったと思う。チームU(地球防衛軍)の面々も、拙いながらにきちんとキャラが立っていて、個人的には及第点。

 ただ、これは、本当に個人的な好みなんだけど、ウルトラマン達に人間に近い人格やキャラクター付けが存在する、いわゆる「ザ・ウルトラマン」方式が苦手なんですよ。ウルトラマンだって宇宙人なわけで、そこはやはり人知では不可知的な存在でいて欲しい、という思いがどうしても拭えないのです。その辺が-2点。

 でも、こども向けの怪獣映画だと思ってバカにしないで、みんなに観て欲しい映画。オススメ。