衣替えに向けた針仕事と和服の始末

 今日は仕事が朝だけで終わったので、ずっと衣替えの準備をしています。
 私の場合は例年4月初旬から中旬頃に、木綿袷やウールから木綿単衣に衣替えをします。
 これにはいろいろと準備が必要。これは和服を毎日の普段着にしている人にしか分からないかもしれませんが、和服は普通の人が考えているよりもずっと脆いです。いや、「丈夫さ」の概念が洋服とは完全に違います。
 和服はほつれやすい代わりに、もの凄く修繕が楽です。基本的に全てが直線裁ちと直線縫いなので、素人でも時間をかければある程度元通りにすることが出来ます。
 11月から3月まで、5ヶ月も着ると、必ずどこかにほつれがあります。袂だったり襟元だったり、普段気にかけない裾廻りだったりするわけですが、これを可能な限り修繕して、最後はきっちりと洗濯・アイロンがけして箪笥に仕舞っていきます。襦袢も、半襟が擦れていたら付け替え、袴も大抵裾廻りがほつれたり破れたりしますので、必要があれば継ぎ当てをしていきます。
 もう着るのが難しいくらいにボロになってしまったものは、思い切って鋏を入れます。木綿の単衣は適当に切って継ぎ当て用の当て布や半襟に。ウールはマイバッグなどの小物に。基本的に、和服は「捨てる」という概念からは遠いところにあります。
 特に和服用のウール生地で作ったマイバッグは非常に丈夫で便利。写真のものは、私が着物を着始めた頃に愛用していたウール着物で作ったマイバッグです。ちょうど日本酒の一升瓶が2本入ります。

 このようにして、和服の四季は移ろっていくのです。