最近観た映画の感想

「アジョシ」8/10点

 イオンシネマ金沢で鑑賞。首都圏からは一月遅れでの公開。
 面白い!最高!
 アクション映画として文句なしの出来ですよ、これは。もう多くを語る必要すら無い。
 ウォン・ビンはとにかくカッコイイ。キム・セロンはとにかく可愛くて演技と存在感が子役とは思えない。「冬の小鳥」を観たときも思ったけど、もはや女優としての風格を備えている。彼女を日本の芦田愛菜と比較する人がよくいるけれど、先方に失礼なのでやめて頂きたい。日本人として恥ずかしい。
 ウォン・ビン演じるリ・テシク、臓器売買を行うマフィア、彼らを追う警察、と三つの陣営が出てくるんだけど、みんな凄い魅力的。警察がマフィアのボスに跳び蹴りするシーンとか最高!俺も車椅子に跳び蹴りしたくなる。
 個人的にはマンソク兄弟のイケメンの方(笑)がキャラが立っていて「ウッヒョオオオオ」と思いながら見てました。ラストの死に際とか最高すぎる。
 と・に・か・く、メチャクチャ出来が良くてメチャクチャ楽しい映画でした。あー、もう一回観たい。

スマグラー」5/10点

 イオンシネマ金沢で鑑賞。
 うーん、良いところもあるけれど悪いところもある。
 PG-12のせいなのか、とにかく暴力描写が中途半端。スローモーションにして暴力性を下げてしまったり、重要なシーンを映さなかったり、とにかく不完全燃焼。暴力を真正面から描かない暴力映画ほど陳腐な物は無い。
 前半のコメディタッチな演出もとにかく滑りっぱなし。ヤクザの親分って何のために出てきたの?我修院演じるおっちゃんの不愉快な演技も謎。映画館で上映途中に席を立ちそうになったのは本当に久しぶりだった。
 ただ、殺し屋である背骨と敵ヤクザのキャラが立っていて*1、終盤の拷問シーンからはテンションが高くなってくる。拷問〜ラストへの怒濤の展開だけは、テンポも良かった。奇妙なくらい清々しい結末も良い。
 傑作ではないし、値段分面白いとも言い難いけれど、他に得がたい映画的体験はできたと思う。オススメはしないけれど、個人的には好きな映画かもしれない。

キャプテン・アメリカ 3D」3/10点

 ユナイテッドシネマ金沢で鑑賞。。
 ゴミ。
 原作は誰もが知ってるアメコミ。
 うーん、つまらなかった。3Dの効果はほとんど無いし、アクションは単調。第二次世界大戦の歴史的な考察とかもほとんど適当だし。とにかく褒める場所が見つからない。marvelとしては大がかりなシリーズ物にしたいようだけど、序章を2,000円も払って見させられるこちらの身になって欲しい。
 あと、愛国心への客観的な視点とか、改造人間を軍事利用することへの疑問点とか、全然無いのな。やっぱりアメリカ人は本当に救いようがないくらい馬鹿なんだなあ。 仮面ライダーの国に生まれて本当に良かった、と思った。

「一命」8/10点

 ユナイテッドシネマ金沢で鑑賞。
 去年、大傑作「13人の刺客」を世に送り出した三池崇史監督による本格時代劇第二段。
 傑作だった。
 13人の刺客、のような問答無用のエンターテイメント映画ではなく、格調高い文芸映画。ファンとしては、今度はこう来たか、と思えて嬉しい。
 「武士道」「武士としての対面」「建前」といったものが、とことん相対化されていく。井伊家の言い分ももっともだし、千々岩求女の境遇にも道場を禁じ得ない。だからこそ、津雲半四郎のラストの主張、そこから始まる殺陣のカタルシスがもの凄い。
 また、井伊家=正社員の勝ち組、半四郎と求女=無職の負け組、と置き換えることもできる社会派映画でもある。
 全編にわたってほどよい緊張感があり、娯楽映画としても文芸映画としても社会派映画としても一級品だと思いました。オススメ。

*1:だからこそ、背骨の最期の意味不明なショボイ貞子アクションなど、不満もあるのだが