最近観た映画の感想

ちょっと簡潔に

「EXIT TROUGH THE GIFT SHOP」8/10点

シネモンドで鑑賞。
 面白かった!傑作。
 バンクシーが撮った、「バンクシーのドキュメンタリーを作ろうとした男のドキュメンタリー映画」。
 後のMr.BrainWash(MBW)となるフランス系移民ティエリー。カメラで映像をとり続けることが趣味だった彼は、親戚で友人のストリートアーティストの取材や手伝いをするうちに、その世界で最大の成功者、バンクシーに知り合う。バンクシーは彼に今までの素材を活用してドキュメンタリーを作成することを薦めるが・・・。

 現代アートの在り方に対する痛切な批評が盛り込まれつつも、エンターテイメントとしても最高。オススメ。


「バビロンの陽光」7/10点

 シネモンドで鑑賞。
 重い、考えさせられる映画。

 舞台はイラク北部クルド人地区。戦地に出向いたまま息子が戻らない年老いた母親は、12歳の孫アーメッドを連れ、息子を探す旅に出る。父親の顔も知らない少年にとって、親子を繋ぐのは父親が残した縦笛だけだった。祖母とアーメッドはわずかな現金を持って、ヒッチハイクをしながらバスを乗り継ぎ、砂漠を旅していく。クルド語しか話せない祖母を、アーメッドが片言のアラビア語で助ける。2人は、気のいいトラックの運転手、貧しくとも逞しい路上生活の少年、クルド人殺戮に加担し心に傷を負った元兵士らとの出会いと別れを繰り返す。過酷なイラクの現状に押しつぶされそうになりながら、空中庭園の伝説で知られる古都バビロンを目指し、900キロの旅路を行く。そして2人に、運命の瞬間が訪れる。

 戦争が終わり、廃墟と化したイラクの映像が延々と続くロードムービー。そして、荒れ果てた国土でも失われていない人々の温かさ。観たあとに残る苦々しさがなんともいえない映画体験だった。オススメです。