全量買い取り制度って、どうなんだろう

 原発をやめて自然エネルギーへの転換を、と国もマスコミも言ってて、特にソーラーが流行の今日この頃。要は、東電に変わってソーラー発電メーカーが次の金づるですか?、ということなんだと思うんですが、どうなんでしょう?
 いや、ソーラー発電のキロワット単価って、どんなに安く見積もっても60万円くらいするわけですよ。これが1日12時間稼働、そして雨や曇りの日もありますから稼働率を6割程度とすると、10年間故障無しに動いたとしてもキロワットアワー単価は約22円。当然故障もするだろうし*1、これはパネルの値段のみに対するコストですから、地価が高い上に屋根の上などアクロバティックな設置を求められる日本ではトータルのコストはもっともっと高くなることでしょう。それに対して、原子力なら5.3円、どんなに高く見積もっても10円程度だそうです*2。んで、この価格差を埋めるために全量買い取り制度があるわけだけど、これってどうなの?
 つまり、この全量買い取り制度のしわ寄せって電気料金に薄っーく上乗せされるんだけど、なんでオレがそれを払わないといけないの?
 基本的に、屋根にソーラー発電施設を設置できる人って普通よりもお金持ちの人たちなわけだけど、なんでその人達の電力を買い取るためのお金をその人達よりも貧乏なオレが負担しなきゃいけないの?環境負荷以前に、その辺の議論が全く為されていないのはどうして?
 共産党社民党は、オレ達の味方なんなら、原発全廃の党是に惑わされずにその辺を議論してくださいよ。共産党員とはいえ、東大卒の議員様にはオレ達の気持ちは分からん、ということなんでしょうかね。正直、ここ数年ずっと共産党または社民党の議員に投票してるんだけど、裏切られた気持ちですよ。
 個人的に、現状では屋根の上のソーラー発電施設なんて気休めまたは金持ちの道楽の範疇を出ないと思うので*3、オレ達にまでそのしわ寄せを寄せないで欲しい。本当なら、全量買い取りの財源って電力会社およびオレ達じゃ無くて国が別の財源を引っ張ってくるべき分野なんじゃあないでしょうか。
 はっきり言って、全量買い取りなんかするくらいなら、そのお金を自然エネルギーの開発に注ぎ込んで、1日でも早く原子力・火力よりも発電コストを下げる努力をするべきなんですよ。順番が逆なんです。そして、そのツケはオレのようなソーラー発電施設を買えない低所得者が背負う。これっておかしいでしょ?

*1:夏は熱帯並みに暑く、秋には台風が襲来し、冬には霜が降りて雪も降るような日本でメンテナンスフリー、というわけにはいかないでしょう。

*2:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110622-00000306-playboyz-soci

*3:本当に発電コストを考えるなら、地方のだだっ広い空き地にメガソーラー発電施設を作るべきでしょう。もっとも、それですら発電コストは原発よりも遙かに高いわけですが