どうも最近の「自然エネルギーこそ素晴らしい」という意見にも、原発と同様疑念を感じざるを得ない。
 今回、「千年に一度の災害」によって原発への安全神話が崩れたわけだけど、だからといって原発を全廃して自然エネルギーへと完全転換すべきか、というのも、ちょっとなあ。
 例えば、「千年に一度の大噴火」で太陽光が全く使えなかったり、「千年に一度の気候変動」によって風力・波力、が役立たずになることは十分に考えられるわけだ。その時に、みんなは「そこまでは想定外でした」と言うんだろうか?
 自然エネルギーと言えば聞こえは良いけれど、みんな自然を嘗めてないかなあ、と元理系学生で現在海に生きるものとしては思うんだけど。

 結局の所、億千万のリスクがあって、それらを計算した上でベターな選択をしていかざるを得ないと思うわけだけど、原発全廃は少なくともベターな選択肢ではないと思うんだよね。ある程度は、「しょうがない」と受け入れながら適切な着地点を模索していくしかないと思う。
 私自身、クーラーどころかストーブ・炬燵すら使わず夏は団扇・冬は火鉢で過ごしている人間だから言えるんだけど、みんな私と同じ生活が出来るの?多分出来ないと思うんだけどなあ。少なくとも、洋服で生活しているような人間は出来ないと思う。
 というか、私は実家も私自身も一次産業に従事して、私自身はパソコン・AV機器以外のほとんど全てを非電気製品で賄って生きているんだけど、日本人みんなが私のような生活をしたら、たしかに原発はいらなくなるけど経済は間違いなく破綻すると思う。エコも行き過ぎると生活を破綻させる、という自覚はみんなあるのだろうか?

 もし、日本人みんなが、「自然を利用できるのなら、利用すれば良い。少なくとも原子力よりも安全なはずだ」と思っているのだとしたら、シュールな笑いを禁じ得ないんだけど・・・。鏡写しとはこのことなのかもね。