最近観た映画

「もしどら」3/10点
 ユナイテッドシネマ金沢で鑑賞。初日というのに、客は私含めて5人くらい。石川県だけでもシネモンド以外の全シネコンで上映と、スクリーン数が半端じゃないわけですが、大丈夫か?
 原作は既読、というより発売直後に購入してレビュー済み。あの時は、こんなベストセラーになるとは全く思っていなかった。個人的には、入門書の入門書としては結構イケてると思う。
 点数は3点と低いのだが、映画自体からそれほど悪い印象は受けなかった。年に1本くらいは、こういう珍品があってもいい。
 TBS、AKB48電通秋元康、etc.、、というふうに、ゴミ映画にしかなり得ない企画なわけだけど、なんとか見られる内容(二時間眠くならない、というれべるではあるが)には仕上げていて、その真摯さには胸を打たれた。野球のシーンがかなりしっかりしていて、そのがんばりには涙が出そうにすらなる。ここ数年のスポーツ映画としては出色の出来映え。ピッチャーは流石にカメラを切り替えたりとごまかしを入れているけれど、バッターの方は構えもそれっぽいし打球も速い。何より真っ黒に日焼けした役者達が素晴らしい。ただ、その男子どものリアルさが、常に小綺麗なマネージャーのふわふわとしたアンリアルさを強調してしまっているのも事実。まあ、その辺も含めてアイドル映画の愛すべき突っ込みどころなのかもしれないけどね。
 マネジメントとは真摯さである、というドラッカーの信念がスクリーンにきちんと具現化されているあたりは、多いに評価したい。ただ、その真摯さが必ず成功に繋がるわけではない、ということも証明されてしまってもいるのだが・・・。
 傑作ではない、むしろ駄作の部類だけれど、愛すべき2011年を代表する珍品には仕上がっている。DVDが出たらもう一度くらいは観てしまうかもなあ。

 あとは、前田敦子のアイドル映画としては結構いけてるんじゃないでしょうか。群がる男子どもを従えて奇妙な連帯感と情熱を喚起させてしまうあたり、AKB48の縮図と言えなくもない物語だなあ、と思えなくもないし。

ブッダ 赤い砂漠よ美しく」4/10点
 うーん、微妙。クオリティは決して低くないし、それなりに頑張っているのだが・・・。
 原作再現と言ってしまえばそれまでだけど、お話が淡々とし過ぎていて眠くなる。やたら小綺麗なキャラデザもなんかなあ。
 美少年が鞭で打たれたり、美少女が眼を潰されたりするので、そういった性癖の人にはお勧め。


「マイ バック ページ」8/10点

 原作は未読。
 原作は川本三郎の自伝小説。
 うん、良い映画だった。
 正直、全共闘とか全然興味がないもので、途中まで退屈で退屈で仕方がなかったんだけど、ラスト30分で評価が一転しました。
 エセ革命家を追い続け、しかもその虚像に対してすら義理を通してしまった主人公沢井。
 ラストのふらりと入った居酒屋での偶然の出会いが、そんな沢井の人間性を緩やかに回復していく。「ダスティン・ホフマンのように素直に泣ける男がいい」というあの台詞もずしりと胸に突き刺さる。
 なんだろう、上手く言葉にできないけれど、ラストはなぜか涙が止まらなかった。もう一度劇場で観たい。