タイトルに偽りなし
- 作者: 伏見つかさ,かんざきひろ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/08/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 伏見つかさ,かんざきひろ
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んでまあ、内容だけど、まさにタイトルの勝利。長嶋有の言う「グッとくる題名」という奴だ。そして、ちゃんと桐乃が「可愛くない」のがいい。妹のリアクションとか、二人の関係とか、ギリギリリアル側に軸足を残していると思う。「妹あるあるネタ」としても、ギャルゲーフォーマットな「萌え妹もの」としても機能する、ギリギリのラインを上手くついていると思う。
そんで、7巻まで一気に読んだけど、「ハルヒ」と「とらドラ」を足して2で割ったような作品だなあ、と思った。もっと言えば、前半(3巻くらいまで)はハルヒっぽくて、それ以降はとらドラっぽい。
3巻までは、人付き合いが苦手で少し屈折した美少女である桐乃が、主人公という触媒を通じて世間を広げていく話。そして、ハルヒがそうであったように、桐乃も人間性のトゲが徐々に無くなっていく。4巻以降は、疑似恋愛的な家族関係を通じて桐乃と主人公を含めた登場人物達が人間的に成長していくお話に、少しずつ作風が変化していく。とらドラも主人公二人の疑似家族的関係を核に、みんなが成長を重ねていくお話だった。
7巻で大きく人間関係が揺らぎ始めたので、今後この物語がどんな着地点に向かっていくのか非常に楽しみ。でも桐乃はどうするんだろうね。現代日本が舞台で、ややリアルよりに軸足を残した*1この作品において、桐乃と京介がくっつくことはあり得ないんだけど、二人の関係は今後どうなっていくんだろうか?
あ、ヒロイン達では黒猫が一番好きなんだけど、やはり日本人としては「収まるものが収まるべき所に収まっている」のに安心と美徳を感じるので、カップリングとしては京介と真奈美が一番好き。