『オーバードクターというのはぶっちゃけフリーターです』

高杉さん家のおべんとう 1

高杉さん家のおべんとう 1

 本屋で表紙買い、いや帯買い。帯の粗筋で、主人公がオーバードクターの無職、というのを見て何となく買いました。
 いやー、素晴らしいマンガです!
 突然年の離れた従姉妹である久留里(12)を引き取る事になった主人公の温己(31)。温己はオーバードクターで、実質無職。両親の保険金や遺産を相続した久留里を引き取る事でバイト(非常勤講師)が減らせる、という打算的理由で引き取ったものの、久留里とのコミュニュケーションや日々の食事の事で悩む日々・・。
 久留里ちゃんが年相応に料理の出来ない女の子なのが好感触。この手のファンタジー溢れる設定だと、女の子が料理万能だったりすることが多多あるけど、このマンガでは31歳のオーバードクターと同じ程度の料理スキルしかない中学一年生が、二人で少しずつ料理を(そして家庭を)進歩させていく。その課程が実に感動的。読んでいて涙が止まんなかったよ、マジで。
 こういうリアル側に軸足を残した作品はなかなか売れ線に乗れない時代だけど、この作者には売れて欲しいなあ。
 あ、個人的には久留里ちゃんよりも、主人公に片思いしている特別研究員(ポスドク)の小坂さん(眼鏡美人!)が好きです結婚しちゃえばいいのに。