今日は左義長

 今日は左義長。私も栃木にいた頃は、実家が古い農家だった事もあって正月飾りを燃やして焼いた餅を家族で食べたものです。
 この一月十五日ですが、ハッピーマンデーが導入されるまでは成人式の日でした。成人式というと、一年で一番和服を着た若い女性とすれ違う日です(笑)。
 しかしねえ、最近の若い女性の振り袖の着こなしは見苦しい。さすがに古都である金沢や、花嫁のれんなどの古い風習が息づくここ七尾ではほとんど見かける事はないですが、ニュースなどに登場する東京など都市部の成人式の風景は見るに耐えない。
 多分、私が成人式の頃(だいたい10年ほど前)からこの傾向は生まれたんだと思いますが、頭をソフトクリームのようにやたらにモリモリと豪奢にしたり、着物の柄が隠れてしまうほどのファーを巻いたり、色合わせや柄の相性を完全に無視した着付けをしたりと、はっきり言って見苦しい。
 特に、あのソフトクリームのような髪型が理解不能。和服の場合帯を締める関係で、髪が長い場合はじゃまにならないように結う必要があるのですが、髪の短い人がわざわざウィッグを付けてまであの髪型にしなければならない理由が分かりません。
 成人式はかなりお祭り感覚の強い式典ですが、一応式典なのですから良識や常識の範囲内でのオシャレで望むべきだと思います。ああいった振り袖の着こなしは、洋装に例えれば、一昔前の漫才師のようなキンキラキンのジャケットで成人式に出るようなものだと思うのです。
 未婚女性の正装である振り袖を着る機会は、成人式の一回限り、という人がほとんどでしょう。だからこそ、洋服感覚・お祭り感覚の安易なオシャレは控えて、和服本来の良さが引き立つオシャレを心がけて欲しい。そうすることで、和服がよりいっそう自分自身を引き立ててくれるはずです。