冬場の普段着。あと、もっとみんな和服を着ようよ

 和服を着ていると、いつも「冬って、寒くないですか?」と聞かれます。
 どうも、世間では「和服=寒い」という認識があるようですね。それには理由があって、現代人にとって和服を着る機会なんて、七五三・お正月・成人式・卒業式、くらいだと思うんですが、全部晩秋〜早春に賭けてのイベントです。しかも、貸衣装などで手軽に済ませてしまうのもあって、「和服=寒い」という印象を持たれてしまうのでしょう。
 当然、冬には冬の着こなしがあって、おそらく同じ枚数を着るのであれば、洋服よりも和服の方が快適に日本の冬を過ごす事が出来ます。まあ、民族衣装なので当たり前なんですけどね。

 というわけで、冬場の普段着の代表、ウール着物です。写真に写っているのは私ですが、着ているのはウールの袷。一般的には丹前と呼ばれるタイプの、昔の普段着です。丹前には薄綿が入っているものが多いですが、個人的には着ぶくれするのが嫌いなので綿が入っていないものを使用しています。外出する時はこれに適当に袴と羽織を合わせて出かけます。小春日和の日などは、袴をはかずに兵児帯をサッと結んで、着流しで出かける事もあります。
 ちなみにこの丹前、いくらだったと思います?なんと、古着屋(ヤフオク)で1,000円でした。ユニクロヒートテックよりも安いんです。
 和装がここ数年見直されていると言っても、普段着で着ている人はごく少数。人口六万の七尾市でも、男で和服を常用しているのは私の知る限りでは二人しかいません。人口45万の金沢でも、たまーに見かける程度でした。なので、絹などの礼装にも使えるものはそこそこ需要が増えているようですが、普段着ともなると二束三文で買う事が出来ます。だから、と言うわけではありませんが、皆さん、もっと和服を着ませんか?今なら、木綿・ウールで良ければ一万円もあればひと揃い手に入りますよ。