タイトルに注意


「英国王給仕人に乾杯」公式サイト
 シネモンドにて鑑賞。まず注意して欲しいのは、主人公はイギリス王室の給仕人になったりはしません。あくまでチェコ映画で、舞台もチェコから動きませんのでご注意を。でも面白かったのでちょっと感想を。
 舞台は1963年、15年の刑期を終えて主人公が釈放されるところからスタート。かつてホテル王を目指してホテルの給仕人としてチェコを転々として、最後は革命に巻き込まれて刑務所に投獄されてしまった主人公が、人生を振り返る、という形式。
 今まで東欧の歴史映画というとナチスによる迫害やら社会主義革命による社会の混乱やら、とにかく重い映画が多かったんだけど、この映画の主人公はとにかく陽気に軽々と社会を渡っていく。悲劇や災難すらもチャンスに変えて成り上がっていく主人公の行動力は見ていてなんとなく微笑ましい。チェコ人の気質は日本人に近いと言われ、勤勉でどこか楽天的という話なので、この軽さはかなり見やすかった。
 とにかく見終わった後に、人生何とかなるさ、と心が軽くなる映画だった。日曜日ということもあってか、シネモンドにしては珍しく(失礼!)客席もかなり埋まっていた。ちょっと口で説明するのが難しい映画だけど、他のお客さんの顔を見たらみんな朗らかな顔で、この映画の良さを表していたように思う。