柳家喬太郎初のエッセイ集

落語こてんパン

落語こてんパン

 若手から中堅の噺家で一番好きなのは?と聞かれたら、真っ先に挙げるのが柳家喬太郎だ。破天荒な新作落語から、喬太郎ならではのアレンジを加えた古典、かと思えばしんみりとした人情噺。その「狂」の部分のみがクローズアップされがちな柳家喬太郎だけど、かなりしたたかで繊細な面も持ち合わせている。
 あまりほめられた方法じゃないけれど、ニコニコにいくつかアップされているのでちょっと聞いてみてください。
参考

 どうです?面白いでしょう?面白いんです。面白いと思ったら、ぜひ聴きに行きましょう、そしてCDとDVDを買いましょう。今ならディアゴスティーニの「落語百選」が安いですよ。
 というわけで、そんな柳家喬太郎の初エッセイ集。連載されたのはポプラ社ウェブマガジン。古典落語の題目を、喬太郎流に紹介していく。業界裏話、というような話題はほとんどないんだけど、喬太郎がどのように古典落語を捉え、相対しているのかが十二分に伝わってくる。落語の紹介の仕方も絶妙で、これを読むと実際に落語が聞きたくなってくる。私のような喬太郎ファンにも、これから聴こうと思っている落語初心者にもお勧め。