寒さが足りない。あと、悪い意味の方で普通という言葉を多用してみるテスト

雪蟷螂 (電撃文庫)

雪蟷螂 (電撃文庫)

 発売日には読んでいたんだけど、パソコンが壊れたり色々あってそういえば感想を書いていなかった。
 まあ、普通に面白かったんで、ちょっと雑感を。
 映像化するなら出崎だな、と思った(笑)。キャラデザ・作監は絶対に杉野昭夫、背景は小林七郎。雪はCGじゃなくてあのあしたのジョー2の時の、いかにも小林プロっぽいこすりつけるようなエフェクトで。ロージアの声は絶対に戸田恵子。アルテシアの登場シーンは下から上への三回パンで、ルイが出てくるところはお得意の画面分割。髪を切るところはハーモニー。
 とまあ、最初の30ページでこうもベタなイメージが固まってしまい、完全に出崎アニメを夢想しながら読んでしまった。まあ、普通に面白かったよ、普通に。
 ただ、ちょっと寒さが足りなすぎる。読んでいて、冬が舞台なことをほとんど感じなかった。終盤主人公が遭難するシーンがあるけど、未開の雪山はスキー場じゃねーぞ、と思わず突っ込んでしまった。後はフェルビエとミルデでもう少し決定的な文化の違いがあった方が良かったかな。この辺は好みだけど。
 そうそう、アルテシアよりも叔母ロージアのキャラが立ちすぎていて、主人公達に全く興味が持てなかったのもマイナス点。どうせなら、ロージアだけで一冊書いてしまえば良かったのに。
 一時間程度で読めて、普通に面白い小説なんで、普通にお薦めです。