ドアがきらいだ

 先ほどドアノブに注意、と書いたんですが、そもそも誰が日本建築にドアを導入して、どうしてこんなに広まってしまったんでしょうか。
 私はドアがきらいです。考えてみてください、ドアがあるだけで、ドアの開け閉めのせいて半畳は完全なデッドスペースになってしまいます。引き戸ならそんなことはないのに。
 一軒の家にドアが六枚あったら、それだけで三畳、ちょっとした押し入れ程度のデッドスペースが生まれていることになります。日本の住宅事情でこんなことが許されている、信じられません。幸い私の住むアパートは玄関から全てが引き戸です。
 また、私が金沢に来てから十年間住んでいるボロアパートですが、床は畳敷きです。私の実家は古い農家で、全ての部屋が和室でしたから、私は畳敷き以外の部屋で寝起きしたことはほとんどありません。
 畳の良いところは、やはり床の上に長時間座っていても体が楽なことでしょう。私は現在座卓を利用しています。椅子なんていう非合理的なものは使いません。そもそも、人間の体を空中に留めておくなんていうのは全くの無駄です。素直に重力に従って床の上に座ればいいのです。正座は痺れに馴れてしまいさえすれば、最高の座り方です。足全体で腰から上を支えるので、腰痛や肩こりにもなりにくいですし、袴をはいていれば腰板と角帯で背筋がすっ、と伸びます。よく十万円以上の椅子を買ったら腰痛が良くなった、というような話を聞きますが、全くの無駄と言っていいでしょう。
 もし将来家を建てることがあれば、出入り口は全て引き戸、床は畳敷きにしようと今から固く思っています。もし家に和室があるのなら、そこで寝起きをしてみてください。日本家屋の合理性を痛感することが出来ると思います。