完璧なマンガ

青年のための読書クラブ 1 (Flex Comix)

青年のための読書クラブ 1 (Flex Comix)

直木賞作家・桜庭一樹×タカハシマコが描く、史上最強にアヴァンギャルドな"桜の園"の100年間。
東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者(アウトロー)だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の<クラブ誌>があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちの手によって脈々と記録され続けていた……。
「――名門お嬢様学校の、禁断の部屋へようこそ――」

直木賞作家桜庭一樹の小説を、タカハシマコがコミカライズ。
原作小説は桜庭一樹の代表作「赤朽葉家の伝説」の姉妹的短編集で、ライトノベルから一般小説へと軸足を移していく過程の、最後の瞬間に書かれた記念碑的傑作(だと私は思っている)。それを、百合マンガの歴史的傑作「乙女ケーキ」を一昨年上梓したばかりのタカハシマコが描く。まさに、今この瞬間にこれ以上の組合せはない、と言って良いだろう。
ああ、でも本当に完璧なマンガだ。タカハシマコがマンガにするためにこの小説が書かれたのではないかという気すらする。特に一話目「烏丸紅子恋愛事件」の出来が素晴らしい。原作のふわふわとした雰囲気から、ラストのあのシーンまで、ほぼ完璧に再現しつつも、やっぱりきちんとタカハシマコのマンガにもなっている。
ああ、今から二巻が本当に楽しみだ。