妻マンガ二つ

僕の小規模な生活(2) (KCデラックス モーニング)

僕の小規模な生活(2) (KCデラックス モーニング)

福満しげゆきによるエッセイマンガ。
エッセイマンガといっても、作者自身が漫画家という職業柄かずっと家にいて妻と編集者以外の人間と会うことがほとんどないので、人間観察(主に妻の)&自己言及マンガになっています。
講談社みたいなメジャーなところから単行本を出したら、あの陰鬱な中の楽観・自信という独特な作風が変わってしまうのでは、とも思っていたけど、杞憂に終わったみたいです。二巻でもあの小規模なもんもんとした日常は続いています。
ただ、おそらく単行本も何冊か出て、作者にも社会性が少しずつ身についたせいか、「〜失敗」の頃にあった読んでいて身悶えしそうになるような、トラウマを抉られるような場面はほとんど無くなりました。まあ、モーニングという掲載誌にあわせた変化なのでしょう。
あと、やっぱり作者の妻が実にいい味を出しています。作者自身とその妻、という自分自身をこうも見事に「マンガのキャラ」として落としきっているのは実に凄いと思います。自分を本当に普段から客観的に(ムーたちでいうところのセカンド自分)見ているんだなあ、と感心しました。

とろける鉄工所(1) (イブニングKC)

とろける鉄工所(1) (イブニングKC)

どこで連載してるのかと思ったら、イブニングなのね、これ。
鉄工所を舞台にした、なんとも言えない日常漫画。といっても、おそらく多くの一般読者にとって鉄工所はあまり接点のない場所であって、そういった読者にとっての非日常を日常として生きる人たちの漫画。
こういったお仕事漫画は一歩間違えると普遍性を失って、内輪ネタに走ってしまいがちなんですが、この漫画はいつもきちんと日常の側に軸足を持っていて、すんなりと感情移入することが出来ました。
その工場の外での主役と言っていいのが、北さんの奥さん(新婚)であり、小島さんの娘さんです。この二人の女性キャラがしっかりと主人公たちの日常を支えてくれているおかげで、読者も安心して(?)読み進めることが出来るのでしょう。
話は変わりますが、私も研究室での工作で旋盤やボール盤しょっちゅう使っているので、ニヤリとできるポイントがたくさんありました。