女子高生＝山本五十六

女子高生=山本五十六 (ワニノベルス)

女子高生=山本五十六2 熱闘 第二次太平洋戦線 (ワニノベルス)

思えば今年は「ストライクウィッチーズ」「内親王那子様の聖戦」など、美少女架空戦記の当たり年でした。しかしそんな中でも、一番の当たりはこの「女子高生＝山本五十六」でしょう。
200X年、尖閣諸島を巡って日本と中国の間で紛争が発生し、日本のイージス艦は艦長による指揮の硬直性と決断力の欠如によって撃沈される。防衛省は文科省とともに『戦える国造り』を目指し、歴史教育プログラムに偽装した次世代指揮官養成VRシステムを全高校へ導入。第二次大戦時を超リアルに再現するMMO型ネットワークゲーム「セカンド・ウォー・リアル」を大々的に始動させる。日独伊芬、英米仏欄と世界中でサービスが始まり、世界中の若者による擬似的第二次大戦が始まる・・・。
当時の将兵はそのままアバターとして登場し、我らが司令官、山本五十六のアバターを使用するのはなんと眼鏡巨乳女子高生、という話。

面白いのは、プレイヤーが敵味方ともに史実を知っていて、それを片っ端から修正してしまう点。日本中の高専生や理系学生が零戦の欠点を片っ端から修正。史実よりさらなる改良を加えた火星エンジンを積んだ零戦を真珠湾の段階で標準配備してしまったり、Fw190Dを前倒しで開発したドイツが優秀なゲーリングの下バトルオブブリテンを成功させてしまったり、勇猛果敢なイタリアの後方支援を受けたロンメルがモントゴメリーと火花を散らしたりと、架空戦記マニアをニヤリとさせて止みません。
あと、ジョージ・ブッシュ(初代)とチャック・イェーガーが自身のアバターを使って参戦、同じく旧日本軍パイロットと七十年越しの一騎打ちをしたりと、熱いシーンもあって、凄く面白い。

一巻で大戦前夜、二巻で真珠湾が描かれ、今のところ戦線は枢軸国の圧勝となっています。物語的に、次は米英の巻き返しが描かれると思うので、それも非常に楽しみです。