これぞ、B級アクションアニメの真骨頂


 ニコニコ動画で鑑賞。
 原作は1巻のみ既読。
 うわー、面白い。もの凄く面白い。お手本のようなB級アクション作品。脚本家と監督は非常に“分かっている”。
 脚本は、B級アニメを書かせたら最も信頼に足る漢、ふでやすかずゆき。監督は勢いのあるアクションに定評がある*1板垣伸
 くだらないことを糞真面目にやる、というのはコメディの基本だけど、くだらなさに徹するのも糞真面目さに徹するのも難しいもの。その点、この第1話はどちらにも針が振り切れている。
 一応説明すると、この作品はベン・ハーのパロディなどではなく、単に閉店間際の半額弁当を巡る狼たちの戦いを描いた物語である。この、出落ちとしか言いようがないくだらない物語を、このアニメは非常に丁寧にそして糞真面目にアクション物として作り上げている。
 まず、脚本の構成が上手い。この1話では三度弁当の争奪戦が描かれるんだけど、アクションを一気に見せるのではなく、少しずつ小出しにしている。
 まず冒頭は、わけも分からず倒れている主人公。Aパート前半でキャラ紹介を済ませ、Aパート後半で2度目の争奪戦。ここでは、一方的にボコられて伸されてしまう。そしてBパート、全てを悟った主人公による、本格的なバトルが描かれる。
 作中でどんなことが行われているのか、オープニングアニメなどからも分かりきってはいるんだけれど、こうして情報を小出しにすることでテンポが非常に良くなっている。特に3度目の争奪戦は音楽の使い方も秀逸。「お魚天国」がスーパーのBGMとしてかかっているんだけど、店員が半額シールを貼る中それが徐々に大きくなっていく。登場人物の緊張感が徐々に研ぎ澄まされていくのが上手く表現されている。
 あとは、やっぱり「スーパーマーケット」という空間が良い!雑多な情報と整然とした雰囲気が同居する不思議な空間なんだけど、ここまでバトルに適した空間だとは思わなかった。照明が満遍なく当たる、というのもこの手のB級アクション作品に適している。「画面は明るければ明るいほどよい」というのはB級映画の巨匠、鈴木則文の至言だが、くだらない設定といい、鈴木則文を思い起こさせるバカバカしさに溢れている。今のところ、今期のアニメ第1話では文句なしにナンバーワン。2話以降にも期待。

追記
 まだオープニングのみの登場だけど、あやめが非常に良い。平田雄三メガネっ娘好きにはたまらん。あと、第1話は徹底して太ももアニメだったんだけど、これは2話以降も続くのだろうか。個人的には続いて欲しい。

*1:と個人的には思っている