頭が悪い子向けのデスノート(褒め言葉)、ついに開幕


 ニコニコ動画で鑑賞。
 原作は全巻購入して読んだ。マンガとしての出来・不出来はさておいて、個人的に好きな漫画ではある。
 原作の1巻を読んだときのストレートな感想は「頭の悪い子向けのデスノート」。未来を予知できる、ということが登場人物の行動や決断にほとんど影響を与えない、ということに呆れ果てると共に、その突き抜けっぷりに衝撃を受けた。おいおい、お前ら自分に与えられた力についてもっと真面目に考えようぜ、と何度思ったことか。でも、そのバカバカしさがかえって物語のスパイスになっているというか、みんながみんな頭を使わずに直情的に行動するせいか物語全体に変な熱量があって、なんだかんだで最後までとても楽しく読んでしまった。あとは、実は心を病んでたりする女性キャラが大好きなんですよ。
 というわけでアニメの第1話だけど、うん、よろしいんじゃないだろうか。
 第1話は、由乃の異常性が掴みの全てだと思うんだけど、十二分に表現できていたと思う。この手のサイコパスは、メディアを問わずとことん演出過剰に描くのが正しい描き方。それこそ、過剰すぎてギャグの領域になってしまうくらいがちょうど良い。一番良くないのが、感情移入できてしまうようなスキを作ってしまうこと。「あれっ、こいつなんだかんだで話通じるんじゃね?」と思わせては絶対にいけない。感情移入は、恐怖の鮮度と温度を一気に下げてしまう。その点、1話の由乃キチガイっぷりは十分合格点。論理的な話し合いどころか、簡単な意思疎通すら難しそうなサイコパスでありながら、不思議な魅力を持った美少女として描かれていて、視聴者をグイグイと引っ張ってくれる。由乃の「顔」が本当に良い。表情、特に「目」の表現に本当にゾクゾクする。また、ほぼ新人と言っても良いようなキャリアの浅い声優を使ってるんだけど、それが反って奇妙なぎこちなさを加えていて不気味さが増しているのも良かった。
 とにかく、未来日記を使った知的ゲーム、みたいなお話では決してないので、2話以降もこの熱量のまま突っ走って欲しい。非常に期待している。