佐藤順一が本気で作るけいおん!

たまゆら〜hitotose〜第1話 「わたしのはじまりの町、なので」
 アニメワンによるネット配信にて鑑賞。
OVAは購入済み。ちなみに、私はとんがり帽子のメモル以来の佐藤順一ファンです。私のアニメファン人生の多分2割くらいは佐藤順一で埋まっている。というわけで、既に信者の視点でしか語ることが出来ない佐藤順一原作・監督・シリーズ構成作品。
 「アニメスタイル」のインタビューによると、大ざっぱに言うと「けいおん!」を作って欲しい、というような企画書を受け取ることが多いそうです。佐藤監督としてはその傾向に歯がゆさを覚えているらしいですが、そんな状況の中で送り出したのがこの「たまゆら」。今風でありながら、やっぱり佐藤順一イズム溢れる意欲作でありました。

 第1話はほぼ完璧。OVA未見者にも分かり易く、かつOVAからのファンにはサービス満点、というセカンドシーズンの第1話としては満点の出来。
 気さくで面倒見がいいけど涙もろい、三次ちひろのキャラが凄くいい。こういう、「一癖あるよい子」の描写が本当に上手いよなあ。
 既存のキャラの活かし方、新キャラの個性付け、それらを過不足なく盛り込む脚本、全てにおいてお手本のような第1話でした。こういう名人芸がもっと評価されて欲しい。
 あとは、背景美術が本当に本当に綺麗。「花咲くいろは」でもその神がかり的な背景にビックリしたけれど、それに匹敵するとも劣らない出来映え。もしかしたら、聖地巡礼型アニメ作品は今後この背景クオリティがスタンダードになってしまうの?