最近観た映画

毎年観に行っていたかなざわ映画祭は、ちょっとスケジュールが合わずに不参加。観たい映画が何本もあったのになあ・・・。来年の第六回に期待。

世界侵略:ロサンゼルス決戦」5/10点

 金沢コロナワールドで鑑賞。
 アメリカ軍対エイリアンのリアル志向戦争映画。
 まあ、あれだ。「実在の軍隊VS不思議生命体」を描いた戦争映画としては、日本に「ガメラ2 レギオン襲来」という既に古典と言っても良いくらいの名作があるわけだ。それと比べてしまうと、映画的なショボサが目についてしまう。
 ロサンゼルス決戦、と邦題はついているけれど、ミッション自体は実に地味。それに、途中から海兵隊の中の1部隊のお話になってしまうので、ますますスケールは小さくなる。まあ、この決戦を内部の1部隊から描く、という視点はアリだとは思うのだけれど、開始直後からずっと闘いっぱなしなので、どうにも途中から飽きてくる。作戦も有って無いようなもので、突っ込んでレーザーを打ちまくって、敵に囲まれそうになったら逃げて・・・以下そのくり返し。せっかく実際の海兵隊の協力を得られたのだから、平成ガメラのような複数の部隊による連携などのシーンをもっと入れて良かったのではなかろうか。ラストもちょっとあっけなくて、なんだか拍子抜け。
 作品全体に漂う「国民のために闘う海兵隊はカッコイイ」というテイストも鼻につくし、なんとも褒めどころの無い映画でした。

探偵はBARにいる」4/10点

 ユナイテッドシネマ金沢で鑑賞。
 札幌を舞台にした人気ハードボイルドシリーズの映画化。私は原作は未読。
 世間では大ヒットしてるし、評判も上々なようだけど、本当にみんなこの映画が面白かったの?
 私は全然駄目でした。いや、それどころか駄作だと自信を持って言えます。
 まずは、敵である暴力団の意図が全く分からない。最初主人公を、あえて逃げられるような細工をした上で生き埋めにする、というかなり回りくどい脅しを行う。これは、ヤクザなりに穏便に済ませたい、出来れば部外者をこれ以上巻き込んで警察に尻尾をつかまれたくない、という意識の表れだと思うんだけど、別のシーンではあっさりと銃を乱射したり、郊外とはいえ札幌市内に住む夫婦を口封じと報復のため銃で殺したりする。日本で、銃を乱射しても通報されない場所なんてそうそうないし、銃で殺された死体が発見された日には、あっという間に足がついてしまうでしょう。というか、その辺の事情を踏まえた上で必要以上に事を荒立てずに主人公は泳がせていたし、夫婦には口止め料を払っていたはず。敵のヤクザが考え無しの単なる暴力装置としか描かれないので、肝心の主人公の側が全く魅力的に感じられない。
 それと、霧島敏夫のキャラが全く立たないどころか、人となりが分からないのに、彼のカリスマ性やキャラクターを前提にお話が進んでしまうので、観ていて「えっ?えっ?」の連続。オープニングでのチープな襲撃シーンと西田敏行の珍奇なメイクはギャグなのか?
 近藤京子=沙織 なのが最初から丸わかりなのは良いとして、「予想外なこと」が2時間にわたって一度も起こらない、というのはどうなんでしょう?謎解きとか、そういうのを期待するような映画ではないのは全体に漂うチープな空気から明らかなんだけど、もう少し捻り、というものがあっても良いのではなかろうか? ベタなお話をベタなまま作る、というのは製作方針としてはあっても良いと思うけど、なら前述したヤクザの暴力の杜撰な描き方は絶対にしてはいけない。細部まで*1気を配って初めて王道は輝くのだと思う。
 あとは重箱の隅だけど、せっかくススキノのバーが主な舞台なのにお酒が全く美味しそうじゃないし、楽しそうじゃないのが非常に残念。私だったらあんなに動きにキレがないバーテンの店はお断り。観ているだけで酒が不味くなる。そのへんも、もう少しディテールに凝っても良かったのでは。
 というわけで、何とも残念な駄作。主演二人はばっちりハマっていたと思うので、二人の顔と演技に+2点。

*1:というほど細部でもないけどね。本当なら。