今日観た映画

今日は映画の日〜♪

「スーパー!」9/10点

 金沢コロナワールドで鑑賞。大傑作。
 面白いつまらない以上に、私にとって大切な作品になりました。この映画が嫌いな人とは、多分友達になれない。

 主人公のフランク(レイン・ウィルソン)は、冴えない中年男。そんなフランクの唯一の心の拠り所は美人な妻(リヴ・タイラー)。しかし、ある日その妻はフランクの元を去り、ドラッグの売人ジョック(ケヴィン・ベーコン)のもとに走ってしまう。絶望のどん底で神の啓示を受けたフランクは、ヒーロースーツに身を包み、クリムゾンボルトとして立ち上がる・・・。

 「素人がヒーロースーツを着て自警団的活動を始める」というプロットから「キック・アス」を引き合いに出されることが多いけど、全然違った趣の映画だった。負け犬のギークボーイを主人公に据えつつも、なんだかんだでスタイリッシュなリア充映画だった「キック・アス」に対して、こちらはかなり切実に「胸に来る」映画だった。
 何せ、主人公側を格好良く描こう、という意図は皆無。フランクはとことん惨めな中年男として描かれるし、暴力は暴力としてどこまでもその醜さとどうしようも無さが強調される。
 前半で印象的なのは、割り込み男に天誅を加えるシーン。映画の列に割り込んだ女連れ(←これ重要!)のチンピラに一度は素顔で注意するも全く相手にされないフランク。このチンピラ(及びその彼女)が非常に不愉快な存在として描かれるので、まず素顔でこれに注意するフランクに拍手を送りたくなる。しかし、その後のフランクの行動がまた衝撃的。クリムゾンボルトに着替えると、パイプレンチでこのチンピラの額を殴打、流血沙汰の惨事に。パニックに陥る群衆と逃げるフランク。直前の素顔での抗議が英雄的な行動として描かれる(周囲の群衆からも「よくぞ言ってくれた」的な扱いを受ける)のに対して、その後の行動は明らかに「行き過ぎた暴力」として描かれる。直前までのシーンが大爆笑を伴うくらいの痛快なコメディとしても描かれているせいもあって、その後の凄惨なシーンでの衝撃が凄い。スクリーンのこちら側にいる観客もドン引きの名シーンだ。
 それはもう一人のヒロイン、リビーもそう。コミックマニアで、主人公に協力する美少女(22歳だけどw)、という非常に映画的に美味しい役所なんだけど、その行動があまりにもクレイジーなために観客が感情移入できないようになっている。どこまでも、暴力に映画的な正義や正当性を与えない。
 そして、その鬱屈がラストで爆発する。
 ネタバラシになるので詳しくは書かないけれど、それまでの鬱屈が大爆発するカタルシスが待っている。そして、その果てにフランクが手に入れるささやかな、本当にささやかな安寧。フランクが幸せになれたのかどうなのか、私にも分からないが、心が静かになる綺麗なラストであったと思う。
 今年、暫定第1位。まだかろうじて石川県でも上映しているのでまだの人は是非。

「ピラニア3D」8/10点



 最・高!!!!!
 いやー、楽しかった楽しかった。
 おっぱいと血しぶき、飛び散る肉片、そしておっぱい。B級ホラーとしてパーフェクトな作品。
 長らくこういう映画を観ていなかった。映画って、こういうので良い、いや、こういうのが良いんだよ。
 なんというか、何から何まで「きちんと」している映画。この手のホラーのお約束で、「女とチャラついてるイケメン、しかもちょっと端から見ると不愉快」みたいなキャラがたくさん出てくるけど、ちゃんと死ぬ。それも、5分もしないうちにちゃんと死ぬから凄い。「うわー、コイツむかつくなあ、死なねえかなあ」と思ったらその直後にはちゃんと惨たらしく死んでくれるので、こちらとしてはそれだけでテンションMAX。「Yeeeeeeeeeeeh!!!」という気分になれる。
 いや、本当にね、凄い楽しいんですよ。ただひたすら楽しくておぞましくて嬉しくなる映画。こればっかりは絶対にDVDじゃ駄目、映画館で観ましょう。オススメ。


「七歳までは神のうち」4/10点

 金沢コロナワールドで鑑賞。
 うーん、ちょっと残念な出来。
 一人の少女の死を巡るミステリー、なんだけど、ちょっと退屈。
 全然怖くないし、ラストの落ちもまあ、予想内。
 ただ、ラストの何とも言えない後味の悪さは少しビックリした。