週末に観た映画

 土曜日に「英国王のスピーチ」を見てきました。超話題作にもかかわらず石川県では公開館が2館と少ないため、大混雑を予想していったのですがシネモンドはガラガラでした。片町も送別会で盛り上がる学生達以外は閑散としていて、やはりみんな映画どころでは無かったようです。
 しかし、私は2本見てきました。

英国王のスピーチ」8/10点
 シネモンドで鑑賞。アカデミー賞受賞作。ジョージ6世の吃音克服にまつわる実話を元にした映画。
 実は、私も吃音が酷く、特に学生時代は学会発表の度にしんどい思いをし、それがさらにトラウマの上塗りになり吃音を酷くする、という悪循環に悩まされてきました。体験上、その日の精神状態や体調に大きく左右されること、最初の発声をクリアすればなんとか乗り切れること、といったことは分かっているのですが、今に至っても克服はしていません。というわけで、この映画の吃音にまつわるエピソードは人ごとでは無く、また役者の演技含めもの凄くリアルなため、要所要所で息もできなくなるような緊張感に襲われました。
 しかし、本当に心が暖かくなる映画でした。真の主人公、とも言うべきエリザベス妃。夫を立て、家族を支え、しかし洒脱に振る舞うことも忘れない。彼女の振る舞いを見ているだけで心が豊かになるような気すらしてきました。この映画が欧米で大ヒットした理由として、失われつつある古き良き貴族像、への憧れのような物があるのでは無いでしょうか。ジョージ6世とライオネルの疑似家族的、というか疑似親子的関係も良いし、とにかく「悪い点を見つけるのが難しい」映画でした。本当にオススメです。

アンチクライスト」6/10点
 シネモンドで鑑賞。
どひゃー、酷い映画(褒め言葉)を見てしまった。
 要所要所でどかーんと降ってくる「生理的にイヤな絵」に本当にドキッとする。主人公の心を病んだ奥さんが、感情移入可能な部分を一欠片も持っていないため、ラストの一連のシーンが本当に生理的に怖くて見ていて怖気がしてきた。
 凄い映画だとは思いますが、私はもう見たいとは思わない。ただ゛随所の場面場面は本当に美しいシーンもあって、そこだけはもう一度見たいかも。