素材は良いけど脚本が雑すぎる・・・

ちょんまげぷりん

 シネモンドで鑑賞。
 いわゆる、「仕事に疲れたキャリアウーマンのもとに家事の出来る男がやってきて、なんだか丸く収まる話」の変化球。最後は「やっぱり家庭に男の人は必要だよね」という保守的ないつものパターン。ここ二十年ほど、イヤと言うほど観させられてきた王道パターンで安心して観ることが出来る。
 ただ、問題なのはその変化球の部分。主人公は江戸時代から神隠しにあってタイムスリップしてきたお侍さんで、なおかつなぜか天才パティシエだった、という点。その辺りの処理があまりにも雑すぎる。
 わずか2時間足らずにそれだけの枝葉を詰め込むのだから、脚本は熟考に熟考を重ね、ムダなシーンが1秒もないようにしなければならないはずだ。しかし、ケーキコンテストを長々と見せたり、そもそもお侍さんが登場するまでに結構な時間がかかったりと、非常に無駄が多い。その反面、お侍さんか洋菓子作りに目覚め、腕を上げていくシーンは1秒もない。結局の所、ご都合主義の固まりみたいな展開になってしまっている。
 役者の演技も良いし、ストーリーのアイデアも楽しい。ただ惜しむらくは三流以下の脚本で非常に安っぽい映画になってしまった。残念。