全ては受け手の問題

6TEEN

6TEEN

 私は石田衣良の小説は半分以上読んでいるが、彼の書くお話は基本的に大嫌いだ。
 それでも、直木賞受賞作の「14 4teen」は大好きだった。というわけで、そのまさかの続編が遂に出版。事前情報を全く仕入れていなかったので、かつて雑誌に連載されていたのも知らなかった。
 本屋から家に帰るまで待てずに、七尾港近くのカフェが併設されている洋菓子店でそのまま読了。
 結論から言うと、いつもの石田衣良だった。面白いんだけど、「この物語は今の俺には必要ないな」という思いと、物語に一向に感情移入できない自分のみが取り残される感じ。
 この「今の自分には必要ない物語だった」というのは最近だと「サマー・ウォーズ」でもあったんだけど、この感じが胸をかすめた瞬間私の場合はスーッとしらけてしまう。これは私の問題で、書き手作り手には全く非はないのだけれども、まあ致し方ない。
 とにかく、面白いは面白かったけど、今の私にはさして必要な物語ではなかった、とだけはここに書いておきたい。