何もかもが懐かしい

ピコピコ少年

ピコピコ少年

 異色ホラーマンガ家、押切蓮介によるゲームエッセイマンガ。
 作者は私の一歳年上、あまりの同時代性の高さに読んでいて果てしなくヘッドバンキングで同意しまくり。
 この漫画は押切氏の自伝的要素を多く含んでいると思うんだけど、まさに私の少年時代もこんな感じでした。
 特に駄菓子屋が小学生にとっての社交場であった、というのは激しく同意。
「駄菓子屋は俺達小学生をバカにさせる」といのは至言である。
私はこのブログでも盛んに言及しているように農村の出身なんだけど、小学校の近くに駄菓子屋が二軒有った。それぞれ正式な屋号があったんだけど、小学生の間では「栃木屋」「江部屋」と呼ばれていた。おそらく、店主の名字からそう呼ばれていたんだと思う。
 そして、小学生の頃、この駄菓子屋にはいわゆる「アーケードゲーム筐体」が設置されていた。どういうわけか栃木屋にはカプコン、江部屋にはSNKが導入される事が多かった。格ゲー全盛期に、ひっそりと50円の台でプレイしたワンダーボーイが今でも忘れられない。先日エミュレーター*1でプレイしたら激ムズで、10分と持たずに死んでしまった。また、栃木屋には一台シューティングゲームが設置されていて、R-TYPEダライアスといった横スクロールシューティングをヤリ狂ったのを覚えている。ちなみに何年か前に両店を尋ねてみたのだが、江部屋があった場所はきれいな更地になっていた。栃木屋はコンビニチェーンの軍門にくだり、ゲームが設置されていた場所は倉庫になっていた。倉庫の隅には“あの”真っ平らな夕焼けが反射しまくりの筐体が粗大ゴミのように置かれていた。レジの若い店員に「あれってプレイできますか?」と聴こうと思ったが止めた・・・。今の静和小学校の生徒はあのアングラ感を感じずに大人になるのか・・・と思うと少し悲しくなった。
 しかしこの漫画はやばいよ、本当に。ノスタルジーとオタク心をくすぐりすぎる。なんであのころ、あんなにゲームに命がけだったのか、そんなことをほっこりと思い起こさせてくれます。しかし、セングラにハマったあの時だけは思い出させて欲しくなかった(笑)。

*1:違法行為です!