J・さいろーはやっぱり天才だな

絶対女王にゃー様 (ガガガ文庫)

絶対女王にゃー様 (ガガガ文庫)

 主人公で平凡な中学生男子・輪玖の幼なじみ、香苗は登校拒否の引きこもり。輪玖はある日、香苗のパソコンの履歴に「にゃー様の宮殿」というサイトを見つける。中身はありがちなアダルトサイトで、「にゃー様」と名乗る管理人と、チャット上でのヴァーチャル・セックスを楽しむ、という他愛のない内容だった。しかし、輪玖はその「にゃー様」に距離感の掴めない幼なじみ・香苗、そして気になるクラスメート結華の面影を重ね、奇妙なヴァーチャル・セックスを繰り返していく・・・。

 その代表作「SWEET SWEET SISTER」*1を読んで以来、この人は天才だと思っているんだけど、そんなJ・さいろージュブナイル・ポルノの最新作。
 賢しい中学生男子と、対照的な二人の少女との恋の鞘当て、そしてチャット上での不思議に背徳的なヴァーチャル・セックス。なんかいつものJ・さいろーでした。
 主人公は、「にゃー様」の正体が二人のクラスメートのどちらかではないかと疑いながらも興奮を隠せない、という非常に困った当たり前の中学生男子なんだけど、そのボンクラモノローグが私を中学生のあの頃に引き戻してくれて死にそうになる。例えば154ページの

にゃー様が処女ならば、結華もきっと処女だろう。
勝手にそう考えた輪玖は、勝手に安心した。

 とかはもう、中二病のそれで、読んでいてじたばたしてしまう。
 とにかくテキストの一つ一つが心にクリティカル・ヒットで死にそうだった。(ていうかもう、いっそのこと殺してくれ)
 恐ろしい事にシリーズ物らしいので、2巻を首を長くして待ちます、はい。

SWEET SWEET SISTER (コアノベルズ)

SWEET SWEET SISTER (コアノベルズ)

*1:大傑作。復刻はまだですか?