うーん・・・

ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)

ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)

ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)

ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)

安ホテルでヤク中が殺された。傍らにチェス盤。後頭部に一発。プロか。時は2007年、アラスカ・シトカ特別区。流浪のユダヤ人が築いたその地は2ヶ月後に米国への返還を控え、警察もやる気がない。だが、酒浸りの日々を送る殺人課刑事ランツマンはチェス盤の謎に興味を引かれ、捜査を開始する―。ピューリッツァー賞受賞作家による刑事たちのハードボイルド・ワンダーランド、開幕。ヒューゴー賞ネビュラ賞ローカス賞三冠制覇。

 なんとか読了。読むのに本当に時間がかかった。原書には当たってないけれど、ちょっと翻訳に難ありな気が・・・。
 読むのに時間がかかったのは、文章が読みづらかった以上にユダヤ人の習慣や社会がピンとこなくて、その都度Wikipediaなどで専門用語を調べる必要があったから。本当に序盤は苦しかった。
 ただ、ある程度ユダヤ人の社会や文化の下調べをして、さらに上巻中盤で主人公の元妻が登場した辺りからぐっと読みやすくなった。警察小説としての出来はかなり良いと思う。ユダヤを取り巻く国際情勢に明るければ、もっと楽しめたんだろうなあ、という気配は随所に感じた。
 ただまあ、これがトリプルクラウンかあ、と思うとちょっと物足りない。