動物農場

動物農場 [DVD]

動物農場 [DVD]

 シネモンドで鑑賞。
 原作は「1984年」でお馴染みのジョージ・オーウェル。原作が書かれたのが戦争中で、このアニメも1954年に制作されたもの。なので、かなりストレートな風刺映画になっている。現代だとここまで直接的な風刺映画はちょっとあり得ないだろう。
 もともとは社会主義国家(特にソ連)を強く批判した作品なんだけど、現代の日本人の私から観ると、現在の派遣問題などが浮き上がってくるから不思議。結局のところ、社会主義だろうと資本主義だろうと人間の心を失ったら行き着くところは同じ、ということか。
 アニメの技術的なところとしては、動物の動かし方とデフォルメの仕方は向こうの方が拘っていて技術レベルの高さが伺える。カートゥーンのキャラクターとしてデフォルメしてあるのにちゃんと馬や羊に見えるもんね。日本の省略の技法も一つのやり方だけど、アメリカのある程度リアルに、そしてカートゥーンのアニメ的動きをさらにそれに上乗せしていく、という足し算の美学もたまに観ると新鮮。
 来月DVDも出るんで、わりとお勧めです。