また騙された
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/12/15
- メディア: 単行本
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いやはや、また騙された。凍りのクジラと同じ種類の叙述トリックだったのに、すっかり忘れてたよ。
卒業して十年経ち、それぞれの人生を送った仲間が、当時のことを回想しながらわだかまりをゆるやかに解消していく。
名前にふりがなが振っていない時点で気付くべきだった。響子と今日子の二人のキョウコに、倫子(ミチコ)と鈴木今日子の二人のリンちゃん。この三人が次々と物語の俎上に上がるものだから、すっかり騙されてしまった。
でも、その分最後緩やかに謎とわだかまりが解けていくシーンは少し感心した。こういうのを書かせたら、本当にうまいなあ。