時間封鎖 上

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)

ヒューゴー賞受賞作】
ある夜、空から星々が消え、月も消えた。翌朝、太陽は昇ったが、それは贋物だった……。周回軌道上にいた宇宙船が帰還し、乗組員は証言した。地球が一瞬にして暗黒の界面に包まれたあと、彼らは1週間すごしたのだ、と。だがその宇宙船が再突入したのは異変発生の直後だった―― 地球の時間だけが1億分の1の速度になっていたのだ! ヒューゴー賞受賞、ゼロ年代最高の本格SF。

とりあえず上巻読了。
いやー、今のところ凄く面白いです。
設定的にはイーガンの傑作素粒子論SF「宇宙消失」を想起させますが、あちらが渋いハードボイルド風小説がダイナミックな論理展開でアッと驚くラストを創出したのに対し、こちらは一般小説のテイストが強いです。数億年単位で進行するマクロな物語と、三人の男女が織りなす人間ドラマが交互に挿入されて、少なくとも上巻は後者の方に重心が置いてある感じ。
こういうSFは一歩間違えると単なる陳腐なお話になりがちなんですが、背景のSF設定があまりにも大きいので、グイグイと読み進めてしまいました。
とにかく巷の評判を聞く限りではまだまだ仕掛けがたくさん用意してあるようなので、とっとと下巻を読みたいと思います。