金曜日にユナイテッドシネマ金沢で鑑賞。

45点


残念映画。
滝田洋二郎監督がさも巨匠であるかのように宣伝が打たれているけれど、そもそも日本映画の主流を歩いてきた人ではない(名監督ではあると思うけどね)わけで、そもそも企画側の監督チョイスに疑問。

とりあえず、時間が長いわりに全体的に説明がヘタクソ。まず、「改暦」がどのくらいの影響を世間に与えるのか、という社会状況が全く説明されない。そして、「暦を作るのにどういった測量と計算が必要なのか」という科学的状況も説明されない。せめて何のために何を測量して、何を計算しているのか、くらいは分かり易いように画で説明するべきだったと思うんだけど、全くされないんですよ。
だから、作中で何が行われていて、それがどのような行為なのか理解できないままに2時間半が過ぎていく苦痛。

お話だけでなくて、画面も軽すぎる。
江戸初期のお話なのに画面が明るすぎませんかね。特に、北極検地に至っては夜の天体観測のお話なんだから、もっと江戸時代の夜の闇を再現しても良かったと思う。
ヒロインである、えん(宮崎あおい)が綺麗過ぎるのも駄目。男性陣は、それなりに薄汚れているのに、宮崎あおいだけはもの凄く綺麗な着物を着てるんですよ。塾を開いて糊口を凌いでいるような武家の娘がそんなにいつもいつも綺麗な着物を着ていられるわけがないんですよね。それと、作中では20年の時間が流れているのに、宮崎あおいが全く老けないんですよ。いや、老けないどころか全く外見が変わらないんですよね。もう、バカにしてんのか、コラ。

あとは、原作から改変されている部分とそのままの部分とが混在している。中盤、妻であるえんに、「わたしより先に死なないで欲しい」みたいなことを言うんだけど、原作だと算哲は最初の妻と死別しているんですよ。それを受けてのセリフなんだけど、映画では唐突に出てくるんで、全くもって意味の無い台詞になってしまっている。

全編この調子なんで、もう少し真面目に作って欲しかった。
オススメはしません。