ちょっとネタバラシ含めて感想を書きます
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2010/12/02
- メディア: Blu-ray
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タイトル通りネタバラシ含めて描くので以降畳みます。
今作でしてやられた、と思ったのは夏目の処理。
こんだけ離せば、間違って読んでしまう人もいないかな。
原作では、夏目は裕一の辿ろうとしている道を既に経験している大人、そして裕一が乗り越える壁。要は、父親不在の裕一にとってもう一人の父親的な人物として登場するんだけど、映画ではなんと裕一本人が成長した姿として登場する。
つまり、夏目は裕一の将来の姿で、裕一と里香の日々は夏目の回想シーン、という位置づけ。言ってしまえば叙述トリック的な構成が為されていて、最後にそれが爆発して感動を呼び込む、という形になってる。
これがね、今作ではかなり効果的なんですよ。
原作では、裕一は里香との一生を覚悟はするけど、それが生み出す悲劇までは経験せずに終わるわけです。その悲劇を経験して乗り越えたのが夏目なんだけど、やっぱり別人として描かれているのでそこまでの悲劇性は感じられない。
しかし、映画では同一人物として描かれていて、実に切実に環状に迫ってくるわけです。しかも、それを乗り越えた存在として夏目が描かれるために、原作では描かれなかった「悲劇を乗り越えた裕一」の姿さえも限られた時間で描いている。
しかし、最後までだまされてしまった。ここまで映画に良い意味で騙されたのは本当に久しぶり。監督は、本当に映画を分かっている人だと思った。
とにかく、現在2010年邦画部門暫定第三位です。あと今年見る予定の邦画は「武士の家計簿」「最後の忠臣蔵」「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」「相棒2」の5本です。