少年少女飛行倶楽部

少年少女飛行倶楽部

少年少女飛行倶楽部

公立中学1年生の海月(みづき)は、幼馴染に誘われて「飛行クラブ」に入部する。メンバーは、変人部長・神(じん)と野球部を兼部する海星のみ。そのうち、高所平気症の朋(るなるな)、野球嫌いの元野球部員・球児、驚くほどいじわるな戸倉良子という、問題を抱えた部員が集まる。果たして、このでこぼこ部員たちは大空に舞い上がれるのか――。今回はミステリーなしです。でも、現代のシリアスさは、ちゃんと内包しつつ、大人も子供も楽しめる“空飛ぶ”青春小説に仕上がりました。
著者の新境地です!

 いやー、いい小説だった。「大傑作!」と膝を叩くような小説ではないけれど、読むと心が朗らかになれる小説。できれば小学校高学年〜中学二年生くらいに読んで欲しい*1。爆発的には売れないけれど、中学校の図書室とかで末永く読み継がれていく。そんなのが相応しい青春小説。上述したあらすじに、少しでもひっかかりを感じた人は是非読んで欲しい。
 それにしても、「てるてるあした」もミステリー色のほとんどない小説だったけど、加納朋子はしばらくこの路線で書き続けるのかな?

*1:こういうことを言うようになったらおっさんです