生きること=食べること
- 作者: 志村志保子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/02/13
- メディア: コミック
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私自身、食べることは大好きで、料理は読書以上の趣味である。そして、この年になって思うこととしては、「食べること」というのは「生きること」なんだなあ、ということだ。カップ麺やコンビニ弁当で済ました次の日は明らかに体が重くなるし、安酒をあおると、かんたんに二日酔いになる。ああ、日々食べている物で生かされているんだなあ、ということを25を過ぎたあたりから身につまされるようになった。
そして、そんな「食」をめぐるマンガの中で、食いしん坊が完結した今、一番楽しみにしているのがこの「女の子の食卓」だ。
基本的に一話完結で、少女からOLまで、幅広い年齢層の登場人物が、「食べ物」を中心にちょっとしたドラマを繰り広げる。
このマンガの良いところ、というか特徴は、その食べ物が「思い出」として語られるところ。その点は「極道飯」に近いんだけど、こっちの方が当然ながら圧倒的に繊細。その思い出も、決してエモーショナルな物ではなくて、人生のほんの一瞬に刻まれるような、些細な、しかしそれでも確実に胸をえぐるような物ばかり。読んだあとに、フッと、「そうだ、あれ食べよう」と思わせてくれる。
今度実家に帰ったら新大平下駅近くのイモフライ屋でイモフライを食べよう。